大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)1464 判決

主 文

原判決(被告人Aに対し無罪を言渡した部分を除く)を破棄する。

被告人Aにかかる原判決判示第一の一の事実、被告人Cにかかる原判決

判示第二の一(イ)別表第六記載一乃至五、第二の一(ロ)及び第二の二の事実被

告人B株式会社にかかる原判決判示第五の事実(被告人Cが従業者としてなした行

為に関しては同被告人にかかる前掲事実に限る)につき各被告人を免訴する。

被告人Aを懲役二月に処する。

但し本裁判確定の日から一年間右刑の執行を猶予する。

被告人Cを罰金二千円に処する。

被告人Cにおいて右罰金を完納することができないときは金二百五十円

を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

被告人B株式会社を罰金二万円に処する。

理 由

被告人Aの弁護人岩沢誠の上告趣意並びに同被告人の弁護人松島邦夫、福間豊吉

の上告趣意中贈賄の犯罪事実に関する論旨(前者については上告趣意第五点後者に

ついては上告趣意第三点)は、いずれも単なる訴訟法違反、事実誤認の主張を出で

ないものであつて、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

ついで職権で調査するに、本件公訴事実中主文第二項に掲げる臨時物資需給調整

法違反並びに物価統制令違反の罪については、原判決の言渡後昭和二七年政令一一

七号大赦令一条八八号八七号により大赦があつたので、刑訴施行法二条、三条の二、

刑訴四一一条五号、旧刑訴四四八条、四五五条、三六三条三号により原判決(すで

に確定した被告人Aに対し無罪を言渡した部分を除く)を破棄し、右大赦にかかる

犯罪事実につき、これらに関する上告趣意の判断をなすまでもなく、各被告人に対

し免訴の言渡をなすべく、なお原判決において右大赦にかかる犯罪と併合罪の関係

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にあるものとして処断せられた大赦を受けない各犯罪につき更に刑を定める。

原判決の確定した被告人Aにかかる判示第一の二の各事実被告人Cにかかる判示

第二の一(イ)の中別表第六に記載されている六、七の各事実並びに被告人B株式

会社にかかる判示第五の中被告人Cが従業者としてなした前記各事実につき法律を

適用するに

一、被告人Aの判示第一の二の贈賄の各所為は、それぞれ刑法一九八条、一九七

条一項に当るところ右第一の二の(1)(2)の所為はそれぞれ一個の行為が数個

の罪名に触れるものであるから同法五四条一項前段、一〇条によりいずれも犯情の

重いDに対する贈賄の罪の刑に従い各罪につき所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑

法四五条前段の併合罪であるから同法四七条、一〇条により犯情の重い前記(1)

のDに対する贈賄の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内で同被告人を懲役二月に

処し、

二、被告人Cの判示重油の統制額超過買受の各所為はそれぞれ昭和二四年二月三

日政令三六号による改正前の物価統制令三三条、三条一項、四条、昭和二三年七月

一〇日物価庁告示四四五号(別表第六の六の点)昭和二三年六月二三日同庁告示三

三六号(別表第六の七の点)に当るところ犯行後罰金等臨時措置法二条により罰金

刑の寡額に変更があつたから刑法六条、一〇条により軽い行為時の規定に従い各所

定刑中罰金刑を選択し、以上は同法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二

項により各罪の罰金の合算額の範囲内において同被告人を罰金二千円に処し、

三、被告人B株式会社の前示の各所為については被告人Cの各所為につき適用し

た各法条の外物価統制令四〇条を適用し所定の罰金額の範囲内において被告人会社

を罰金二万円に処し、なお刑法二五条により被告人Aについて本裁判確定の日から

一年間その懲役刑の執行を猶予すべく、被告人Cにおいて罰金不完納の場合は同法

一八条により金二百五十円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置すべきも

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のとする。

よつて主文のとおり判決する。

この判決は、被告人C及び被告人B株式会社に関する重油の統制額違反の取引に

よる物価統制令違反の罪につき、犯罪後重油の販売価格の統制額指定が廃止(昭和

二七年六月三〇日経済安定本部告示一二号にり同年七月一日以降廃止)されたから

刑の廃止があつたものとして右被告人等を免訴すべしとする裁判官真野毅の少数意

見(判例集四巻一〇号一九八三頁以下参照)を除く外裁判官全員一致の意見による

ものである。

検察官 草鹿浅之介関与

昭和二七年一一月二〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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